Windowsで大量のファイル名を変更するなら、PowerToysのPowerRenameを使うと、変更前と変更後をプレビューしながら一括処理できます。商品画像の名称を揃える、先頭の不要な文字を削る、案件名を付けるといった作業に向いています。
この記事では、コピーした練習用ファイルで確認しながら、単純な置換と基本的な正規表現を試す手順を紹介します。ファイルの中身を編集する機能ではなく、名前を変更するための機能です。
準備:PowerRenameを有効にする
Microsoft PowerToysをインストールし、設定内でPowerRenameを有効にします。入手方法はMicrosoft公式のPowerToys案内から確認できます。会社のPCでは、利用できるアプリのルールに従って導入してください。
- テスト用フォルダーへ、変更対象のファイルを数個コピーする。
- エクスプローラーでそのファイルを選択する。
- 右クリックし、PowerRenameで名前を変更する項目を開く。
- 対象一覧と変更後のプレビューを確認する。
右クリックメニューの表記や表示場所は、WindowsとPowerToysのバージョンによって異なる場合があります。見つからないときは、PowerRenameが有効か、選択した対象が正しいかを確認します。
最初に「ファイル名のみ」を選ぶ
画像名や資料名を整理する場合は、適用先をファイル名のみにして、拡張子を変更対象から外すと意図を保ちやすくなります。たとえばold_logo.pngのold_logoだけを変え、.pngはそのまま残します。
フォルダー名やサブフォルダー内のファイルまで変更する必要があるかも確認します。まずはファイルだけを少数選び、対象が広がりすぎない設定で始めましょう。各オプションの役割はMicrosoft公式のPowerRenameガイドに整理されています。
例1:共通する文字を一括置換する
次のように、ファイル名のold_をnew_へ変える例です。正規表現はオフにします。
| 設定 | 入力 |
|---|---|
| 検索する文字 | old_ |
| 置換後の文字 | new_ |
| 適用先 | ファイル名のみ |
| 正規表現 | オフ |
old_logo.png → new_logo.png
old_banner.jpg → new_banner.jpg
sample.jpg → sample.jpg
一致しないsample.jpgは変更されません。大文字・小文字の区別や、同じ文字が複数回あるときの扱いは、プレビューで確認します。置換後を空欄にすれば、指定した文字を削除する用途にも使えます。
たとえばold_old_logo.pngがある場合、先頭だけを変えたいのか、すべてのold_を変えたいのかを決めます。「すべての出現箇所」の設定を意識せず実行すると、必要な文字まで変わることがあります。
例2:ファイル名の先頭に案件名を付ける
先頭にclientA_を付けたい場合は、正規表現をオンにし、検索へ^、置換へclientA_を指定します。^は先頭を表します。適用先はファイル名のみにします。
logo.png → clientA_logo.png
banner.jpg → clientA_banner.jpg
すでに接頭辞が付いたファイルを再度処理すると、さらに文字が追加されます。処理済みと未処理のファイルを混ぜないようにし、先頭・中間・末尾の複数行をプレビューで確認してください。
例3:拡張子の前に文字を付ける
ファイル名の末尾へ_webを追加するなら、適用先をファイル名のみにし、正規表現をオン、検索へ$、置換へ_webを入力します。
logo.png → logo_web.png
banner.jpg → banner_web.jpg
$は対象文字列の末尾を表します。拡張子を含む名前全体へ適用すると、意図した位置と違う場所へ付く可能性があります。変更後の名前がlogo_web.pngになっているかを必ず確認してください。
例4:先頭の数字とアンダースコアを削除する
001_logo.pngや023_banner.jpgから、先頭の数字とアンダースコアだけを除く例です。正規表現をオンにし、検索へ^\d+_、置換後は空欄にします。
001_logo.png → logo.png
023_banner.jpg → banner.jpg
logo_2026.png → logo_2026.png
このパターンは、先頭に1文字以上の数字が続き、その直後にアンダースコアがある場合を対象にしています。後ろ側の数字は対象外です。全角数字や別の区切りが混在している場合は、この条件で一致するかをプレビューで確認し、必要なら対象を分けます。
連番にしたいときは、並び順まで確認する
PowerRenameには項目の列挙による連番の機能もあります。開始番号や桁数を設定する場合は、現在のバージョンのオプションを確認してください。
連番で気を付けたいのは、数字の見た目よりも「どのファイルに何番が付くか」です。撮影順、商品順、ページ順のどれを使いたいのかを決め、一覧の並びとプレビューを見比べます。複数フォルダーへまたがる場合は、一度に処理する前に小さな単位で結果を確認します。
変更を確定する前の確認
- 対象の件数が想定どおりである。
- 拡張子が意図せず変わっていない。
- 別々のファイルが同じ名前になっていない。
- フォルダーやサブフォルダーを不要に巻き込んでいない。
- 画像配置やプログラムなど、旧ファイル名を参照しているものがない。
Illustratorのリンク画像、動画編集の素材、プログラムから参照するファイルは、名前を変えると参照が切れる場合があります。単独の画像整理と、制作プロジェクト内の素材整理を同じ感覚で行わないようにします。
戻したい場合と、変更できない場合
直後であればエクスプローラーの「元に戻す」で名前変更を戻せる場合がありますが、後続の操作や環境によって戻せる状態は変わります。大量処理では、この操作だけを保険にせず、元のコピーを残しておく方が確実です。
変更できないファイルがあるときは、プレビュー上の競合、使用中のファイル、保存先の権限、名前に使えない文字を確認します。すべて失敗したのか、一部だけ失敗したのかを分け、実行後の一覧を確認してから再処理してください。
なお、拡張子を.jpgから.pngへ変えても、画像形式は変換されません。形式を変える作業は対応アプリでの保存・書き出しとして行い、PowerRenameでは名前の整理を担当させましょう。
