Illustratorのアクションを互いに呼び出し、保存命令を繰り返す旧方式について、注意点と代替手順を整理します。
これは復元データを作る機能ではなく、記録したときのフォルダーへ同じ名前で保存し直すことを繰り返す仕組みです。
2019年の旧記事にあった無限ループの作成手順は、作業を続けにくく、誤編集も保存してしまうため掲載を取りやめました。
2026年10月17日に、Illustrator 2026(30.8.2)とWindows 11 Pro(10.0.26200)で、保存と別のアクションの呼び出しを含むアクションを記録・再生した結果も載せています。
アクションループでできることと限界
| 項目 | 旧方式の性質 |
|---|---|
| 処理 | 保存命令と、別アクションの呼び出しを反復する |
| 実行間隔 | アクションの命令が進む時間に左右される。指定秒数ごとのバックアップ機能とは異なる |
| 保存される内容 | その時点の文書。誤編集前の版が残るとは限らない |
| 停止と編集 | 再生中の処理やダイアログ次第で操作が妨げられる。使いながら保存し続ける実用性は別途確認が必要 |
| 復元 | クラッシュ時の復元データを管理する機能ではない |
実機で確かめた保存と呼び出し(2026年10月17日)
2026年10月17日に、Illustrator 2026(30.8.2)とWindows 11 Pro(10.0.26200)で、保存と別のアクションの呼び出しを含むアクションを、練習用の文書で記録・再生しました。
互いに呼び出し続けるループは作らず、1回ずつ再生して、保存先と保存された内容を確かめています。
練習用の文書(100×100 ptの四角形1つ)はスクリプトで用意したので、その作り方は確認に含めていません。
記録したアクション
アクションパネルで練習用のセット「CGM_Loop475」を作り、四角形を右へ50 pt動かすアクション「右へ移動」を記録しました。
記録中に[オブジェクト]→[変形]→[移動…]を開き、水平方向に50 ptを入れて[OK]を押しています。
続けてアクション「保存して呼ぶ」の記録を始め、[ファイル]→[保存]を選び、パネルで「右へ移動」を選んで再生ボタンを押してから、停止ボタンで記録を止めました。
パネルには、[保存]が「別名で保存」として、記録中に再生した「右へ移動」が「アクションを実行」として記録されました。

「アクションを実行」には、呼び出し先のセット名とアクション名が入っていました。
「別名で保存」には、記録したときの文書のフォルダーが入っていました。
どちらも、パネルメニューの[アクションの保存…]で書き出したファイルの中身で確かめています。
再生したときの保存先と保存された内容
「保存して呼ぶ」を選んでパネルの再生ボタンを1回押し、保存されたファイルと四角形の位置を比べました。
| 再生した条件 | 結果 |
|---|---|
| 記録したフォルダーにある文書 | 同じ名前のファイルが確認のダイアログなしで置き換わった。別のバックアップファイルはできなかった |
| 保存の後に続く「右へ移動」 | 呼び出されて四角形が右へ50 pt動き、文書は未保存の状態に戻った |
| 保存されたファイルを開き直す | 再生した時点の位置で保存されていた。その後の50 ptの移動は入っていなかった |
| 別のフォルダーにある文書 | 元のファイルは更新されなかった。記録したフォルダーに同じ名前の新しいファイルができ、開いている文書もそちらに切り替わった |
ファイルの更新時刻・中身と四角形の位置は、再生の前後にスクリプトで読み取って比べています。
保存の命令を含むアクションは、開いている文書を元の場所へ上書きするとは限りません。
記録したときと別のフォルダーにある文書で再生すると、記録したフォルダーへ別のファイルとして保存されます。
確かめた範囲と確かめていない範囲
確かめたのは、四角形1つの練習用の文書で、保存と呼び出しを1回ずつ含むアクションをパネルから再生した場合です。
互いに呼び出し続けるループの実行、再生中の停止、ダイアログを表示する設定、文字やグループなど別の種類のオブジェクト、Mac、ほかのバージョンは確かめていません。
練習用のセット「CGM_Loop475」は、終わった後に削除しました。
目的に応じた代替手順
- クラッシュ後の復元を備えたい場合は、現行版の自動バックアップ・復元設定を確認する。
- 過去の状態へ戻りたい場合は、区切りごとに別名のコピーを保存し、必要な期間の世代を残す。
- 複数のAIへ同じ処理を行う場合は、まずコピーした3ファイルで標準バッチを試し、保存先と結果を照合する。
- 既存の同名出力を避けたい場合は、PDF一括JSXやアウトラインの別名保存JSXのように対象件数、保存先、結果ログを指定する方式を選ぶ。
現行版の復帰データの設定は、[編集]→[環境設定]→[ファイル管理…]の「ファイル保存オプション」にあります。
2026年10月17日のこの環境では、「復帰データを次の間隔で自動保存」がオンになっていました。これは当日の設定記録です。Illustrator 30.0以降の新しいバックアップ方式では、「バックグラウンドで保存」が有効だと間隔の選択が無効になります。項目を選べないときは、単に復元機能が停止していると判断せず、上記の自動バックアップ・復元設定の記事でバージョンと適用条件を確認してください。

既存のループを持っている場合
本番の文書で再生せず、「ウィンドウ」→「アクション」でパネルを開きます。ボタン表示の場合は、パネルメニューの「ボタンモード」を解除してから、セットとアクションの左の三角を展開し、呼び出し関係と保存命令を確認します。ボタンモードでは各命令が見えず、アクションのボタンを押すと再生されるため、内容確認のためにボタンを押さないでください。連鎖先が別のアクションを呼ぶ場合も、その内容まで確認してください。セット全体を削除すると別用途のアクションも失われるため、必要なセットを保存してから扱いを決めます。
アクションパネルでは、保存の命令は「別名で保存」、ほかのアクションの呼び出しは「アクションを実行」として表示されます(2026年10月17日の確認)。
「別名で保存」には記録したときのフォルダーが入っているので、どこへ保存されるかも確かめてください。
この記事は旧方式の仕組みを残す参考資料です。
保存と呼び出しの動きは2026年10月17日にIllustrator 2026で確かめましたが、互いに呼び出し続けるループの作成・実行は試していません。
通常の一括処理はアクションとバッチの記事へまとめ、復元設定の説明は自動保存の記事へ分けています。
参照資料と確認範囲
よくある質問:アクションのループと自動保存
アクションループとは、何ですか?
Illustratorのアクションを互いに呼び出し、保存命令を繰り返す旧方式です。
復元データを作る機能ではなく、記録したときのフォルダーへ同じ名前で保存し直すことを繰り返す仕組みです。
2026年10月17日の確認では、保存の命令は「別名で保存」として記録され、記録したときと別のフォルダーの文書で再生すると、元のファイルではなく記録したフォルダーに新しいファイルができました。
アクションループは、自動バックアップの代わりになりますか?
なりません。実行間隔はアクションの命令が進む時間に左右され、指定秒数ごとのバックアップ機能とは異なります。保存されるのはその時点の文書で、誤編集前の版が残るとは限りません。クラッシュ時の復元データを管理する機能でもありません。
実機でも、保存されたのは再生した時点の状態で、その後の変更は入っていませんでした(2026年10月17日の確認)。
無限ループの作成手順は、なぜ掲載を取りやめたのですか?
2019年の旧記事にあった無限ループの作成手順は、作業を続けにくく、誤編集も保存してしまうため、掲載を取りやめました。再生中の処理やダイアログ次第で操作が妨げられ、使いながら保存し続ける実用性は別途確認が必要です。
クラッシュに備えたいときは、どうすればよいですか?
現行版の自動バックアップ・復元設定を確認します。参照資料は、Adobeの「バックアップと復元の設定」です。復元設定の説明は、関連記事の「自動保存」の記事に分けてあります。
過去の状態へ戻れるようにしたいときは?
区切りごとに別名のコピーを保存し、必要な期間の世代を残します。
複数のAIに同じ処理をしたいときは?
まずコピーした3ファイルで標準のバッチを試し、保存先と結果を照合します。既存の同名出力を避けたい場合は、PDF一括JSXやアウトラインの別名保存JSXのように、対象件数、保存先、結果ログを指定する方式を選びます。通常の一括処理は、「アクションとバッチ」の記事にまとめられています。
すでにアクションのループを持っている場合は、どうすればよいですか?
本番の文書で再生せず、「ウィンドウ」→「アクション」でパネルを開きます。ボタン表示の場合は、パネルメニューの「ボタンモード」を解除してから、セットとアクションの左の三角を展開し、呼び出し関係と保存命令を確認します。ボタンモードでは各命令が見えず、アクションのボタンを押すと再生されるため、内容確認のためにボタンを押さないでください。連鎖先が別のアクションを呼ぶ場合も、その内容まで確認してください。セット全体を削除すると別用途のアクションも失われるため、必要なセットを保存してから扱いを決めます。
保存の命令は「別名で保存」として記録され、記録したときのフォルダーが入っているので、保存先も確かめてください(2026年10月17日の確認)。
記事の内容は、今のIllustratorで確認されていますか? 最新はどこで確認しますか?
保存と別のアクションの呼び出しを含むアクションは、2026年10月17日にIllustrator 2026(30.8.2)とWindows 11 Pro(10.0.26200)で記録・再生して確かめました。
互いに呼び出し続けるループの作成・実行、Mac、ほかのバージョンは試していません。
参照資料は、Adobeの「アクションの記録・管理・再生」と「バックアップと復元の設定」で、最新はAdobe公式のヘルプで確認してください。

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