ExcelのPower Queryを使うと、CSVを取り込んで不要な列や行を除き、型を整えた表をシートに読み込めます。
整えた手順はクエリとして残るため、翌月のCSVに差し替えても「更新」を押すだけで同じ形の表が作り直されます。
この記事は、Microsoft公式のサポート記事(Excel の Power Query について、データ ソースからデータをインポートする、Excel で外部データ接続を更新する など)と、Microsoft LearnのPower Queryのドキュメントをもとにまとめたものです(2026年10月18日に確認)。
Excelの実機での再現は含みません。
画面の名前は、Microsoftの日本語のサポート記事の表記に合わせています。
記事によって表記がわずかに違うことがあり、お使いのExcelの版によっても表示が変わることがあります。
Power Queryでできること
公式のサポート記事「Excel の Power Query について」によると、Power QueryはExcelでは「データの取得と変換(Get & Transform)」とも呼ばれ、外部のデータを取り込んで、列の削除やデータ型の変更などで整えてからExcelに読み込む機能です。
使い方は、次の4つの段階に分けて説明されています。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 接続 | ファイル・データベース・Web・ブック内の表などのデータにつなぐ |
| 変換 | 元のデータは変えずに、列や行を整える |
| 結合 | 複数のクエリを縦に追加したり、共通の列でマージしたりする |
| 読み込み | シートかデータモデルに読み込み、定期的に更新する |
変換の段階で行った操作は、元のCSVには書き込まれません。
Excel for Windowsのほか、Excel for MacとExcel for the webでも使えるとされています。
CSVを取り込む
公式のサポート記事「データ ソースからデータをインポートする (Power Query)」の手順は次のとおりです。
- [データ]タブの[データの取得]>[ファイルから]>[テキスト/CSV から]を選ぶ
- 取り込むCSVを選んで[開く]を選ぶ
- プレビューの画面で、区切り記号などを確かめる
- そのまま読み込むなら[読み込み]、整えてから読み込むなら[データの変換]を選ぶ
別のサポート記事では、[データ]タブの[データの取得と変換]グループにある[テキストまたは CSV から]から始める手順として書かれています。
プレビューの画面で確かめること
Microsoft LearnのText/CSVコネクタの説明によると、プレビューの画面では次の3つを選べます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ファイルの配信元 | ファイルの文字コード(文字セット) |
| 区切り記号 | コンマ・タブ・セミコロン・スペース・コロン・等号・任意の文字・固定幅 |
| データ型検出 | 最初の200行で判断する、データ全体で判断する、検出しない(すべてテキストにする) |
同じ説明の中では、文字コードは推測されず、UTF-8はファイルの先頭にBOMがある場合にだけUTF-8と判断されると書かれています。
日本語が化けていたら、ファイルの配信元で正しい文字コードを選び直します。
文字化けの見分け方と直し方は、ExcelでCSVが文字化けするときの直し方にまとめています。
データ型検出をデータ全体にすると、エディターでの最初の読み込みが遅くなることがあると注意書きがあります。
Power Queryエディターで整える
[データの変換]を選ぶと、Power Queryエディターが開きます。
公式の説明では、エディターで行った操作は1つずつ「ステップ」として記録され、右側の[クエリの設定]の[適用されたステップ]に並ぶとされています。
ステップを選ぶと、その時点のデータが表示されるため、どの操作で表がどう変わったかを順に確かめられます。
自動で入るステップ
Microsoft Learnの「Power Query のデータ型」によると、CSVやテキストのような元のデータに型の情報がないファイルでは、初期設定で最初の200行をもとに見出しと列の型が自動で判断されます。
このとき、次の2つのステップが自動で追加されます。
- 最初の行を列の見出しにするステップ
- 各列の値を見て、列のデータ型を変えるステップ
公式のサポート記事の例では、受注IDと売上高が数値に、受注日が日付に変わり、カテゴリと製品名はテキストのまま残っています。
商品コードや郵便番号のように先頭の0に意味がある列は、型の変更で数値にされると0が消えるため、その列の型をテキストにしておきます。
よく使う操作
| やりたいこと | 公式ドキュメントにある操作の場所 |
|---|---|
| 要らない列を消す | 列を選んで右クリック>[列の削除]。残す列を選んで[ホーム]>[列の削除]>[他の列の削除]も使える |
| 残す列を選ぶ | [ホーム]タブの[列の管理]グループ>[列の選択] |
| 行を絞り込む | 列の見出しの▼から、値を選ぶか、テキスト・数値・日付ごとのフィルターを使う |
| 空の行を除く | 列の見出しの▼>[空の削除] |
| 列の型を変える | 列の見出しの左のアイコン、または[ホーム]タブの[変換]グループの[データ型] |
| 1つの列を区切り記号で分ける | [ホーム]タブの[変換]グループ>[列の分割]>区切り記号による分割 |
列の分割では、新しい列の名前は元の列の名前に「.1」「.2」のような番号を付けたものになると説明されています。
フィルターの一覧に出る値は、列の中の最初の1,000種類までで、それより多い場合は一覧が不完全な可能性があると表示されるとされています。
日付がエラーになるとき
Power Queryは、文字を日付や数値に変えるとき、ロケール(国や地域の書式)をもとに値を読み取ります。
Microsoft Learnの説明では、Excelなどのデスクトップ版では、Windowsの地域の設定が自動で使われます。
CSVの日付が別の地域の書式(日/月/年など)で書かれていると、型を日付にしたときにエラーになることがあります。
その場合は、列の見出しを右クリックして[型の変更]>[ロケールを使用]を選び、データ型と、CSVの書式に合うロケールを指定すると正しく読み取れると書かれています。
ステップを直す・消す
[適用されたステップ]でステップを右クリックすると、[設定の編集][名前の変更][削除][最後まで削除]などを選べます。
[最後まで削除]は、選んだステップとその後のすべてのステップを消します。
[クエリの設定]が表示されていない場合は、[表示](View)タブの[クエリの設定](Query Settings)で表示できると説明されています。
シートに読み込む
整え終わったら、Power Queryエディターの[ホーム]タブの[閉じる]グループにある読み込みのコマンドで、シートに読み込みます。
公式のサポート記事では、このコマンドは[読み込み & 閉じる]のように表記されています。
読み込む場所は、[データ]タブの[クエリと接続]の一覧でクエリを右クリックし、[読み込み先]で選び直せます。
テーブル、ピボットテーブル・ピボットグラフ、接続の作成のみ、データモデルへの追加から選べると説明されています。
Power Queryエディターは、[データの取得]の中の[クエリ エディターの起動]からも開けます。
CSVを差し替えて更新する
Power Queryの便利な点は、整える手順を繰り返し使えることです。
公式の説明では、クエリを更新すると、記録された各ステップが自動で実行されるとされています。
毎月同じ形式のCSVを受け取る場合は、同じ場所・同じ名前で新しいCSVに置き換えてから更新すると、同じ手順で整えた表に入れ替わります。
更新のしかた
| 方法 | 更新される範囲 |
|---|---|
| クエリのセルを選び、[クエリ]タブ>[更新] | そのクエリ |
| [データ]タブ>[すべて更新] | ブックのすべての接続 |
| Ctrl+Alt+F5キー | ブックのすべてのデータ |
| Alt+F5キー | 選んでいるデータ |
Power Queryエディターの[プレビューの更新]は、エディターの中のプレビューを最新にするもので、シートに読み込まれた表は変わらないと説明されています。
シートの表を新しくするには、エディターを閉じてからシート側で更新します。
開いたときや一定の間隔で更新する
[データ]>[クエリと接続]の[接続]タブで、一覧のクエリを右クリックして[プロパティ]を開くと、[接続のプロパティ]の[使用法]タブで次の設定ができます。
- [ファイルを開くときにデータを更新する]
- [定期的に更新する]と、更新の間隔(分)
公式の説明では、パソコンの設定で外部データの接続が無効になっていると、開いたときの更新は働かないとされています。
その場合は、セキュリティ センターのバーでデータ接続を有効にするか、ブックを信頼できる場所に置く必要があると書かれています。
CSVの場所が変わったとき
CSVを別のフォルダーに移した場合は、[データ]>[データの取得]>[データ ソース設定]を開きます。
公式のサポート記事によると、[現在のブックのデータ ソース]で対象を選び、[ソースの変更]を選ぶと、最初に取り込んだときと同じ画面でデータの元を変えられます。
Microsoft Learnの説明では、[適用されたステップ]の最初にある[ソース]のステップの設定から、区切り記号や、引用符の中の改行の扱いも変えられるとされています。
フォルダーの複数のCSVをまとめる
月ごとや部署ごとに分かれた同じ形式のCSVは、フォルダーごと1つの表にまとめられます。
- まとめたいCSVだけを1つのフォルダーに入れる
- [データ]>[データの取得]>[ファイルから]>[フォルダーから]を選び、そのフォルダーを指定する
- ファイルの一覧を確かめ、[結合]>[結合して読み込む]などを選ぶ
- [ファイルの結合]の画面で、見本にするファイルを選び、ファイルの配信元・区切り記号・データ型検出を確かめて[OK]を選ぶ
公式のサポート記事では、フォルダーには関係のないファイルを入れないよう案内されています。
フォルダーの中のすべてのファイルが結合の対象になるためです。
また、どのファイルも列の見出し・データ型・列の数が同じである必要があり、列の並び順は違っていても列の名前でそろえられると説明されています。
公式のサポート記事では、一度設定した後は、データを更新して毎月の結果を確かめられると説明されています。
確かめていないこと
- この記事の手順を、Excelの画面で実際に操作して確かめてはいない
- お使いのExcelの版ごとのボタンやメニューの名前の違い
- Excel for Macとweb版での操作の違い
- 大きなCSVを取り込んだときの速さ
参照した資料は、MicrosoftサポートのExcel の Power Query について、データ ソースからデータをインポートする (Power Query)、テキスト (.txt または .csv) ファイルのインポートまたはエクスポート、Excel で外部データ接続を更新する、複数のファイルを含むフォルダーからデータをインポートするです。
あわせて、Microsoft Learnのテキスト/CSV、適用されたステップ、Power Query のデータ型、列を選択または削除する、列の値でフィルター処理する、区切り記号で列を分割するを参照しました。
