Googleスプレッドシートのピボットテーブルは、元データを担当者別・商品別などにまとめる集計機能です。関数を長く書かずに、行・列・値へ項目を配置して集計表を作れます。
最初は「何を単位に分けるか」と「何を合計するか」を決めます。この記事では5件の架空の売上データを使い、担当者別の合計から商品別の内訳まで確認します。
集計前に、見出しがある一つの表へ整える
A1:D6へ次のように入力します。1行目は見出し、2行目以降は1件につき1行です。売上金額は数値として入力し、通貨表示は表示形式で設定します。
| 日付 | 担当 | 商品 | 売上 |
|---|---|---|---|
| 2026/10/01 | 佐藤 | ノート | 1000 |
| 2026/10/02 | 鈴木 | ペン | 800 |
| 2026/10/03 | 佐藤 | ペン | 1200 |
| 2026/10/04 | 鈴木 | ノート | 2000 |
| 2026/10/05 | 佐藤 | ノート | 500 |
元の表に「合計」の行を追加すると、その行も集計対象へ含まれる場合があります。明細と集計結果は分けてください。見出しの結合セル、途中の空白行、担当名の表記ゆれも先に確認します。
ピボットテーブルを作成する
- 見出しを含むA1:D6を選択する。
- 「挿入」→「ピボットテーブル」を選ぶ。
- 集計先として新しいシート、または空き領域を指定する。
- 右側のエディタで「行」に担当を追加する。
- 「値」に売上を追加し、集計方法をSUMにする。
佐藤は2700、鈴木は2800、総計は5500になる例です。ピボットテーブルの作成と編集はGoogle公式ヘルプでも確認できます。
自動で集計候補が入った場合も、行と値の設定を読み、欲しい指標になっているかを確認してください。「売上の合計」と「売上が入ったセルの個数」は違う結果になります。
行・列・値・フィルタの役割
| 設定 | 決めること | 今回の例 |
|---|---|---|
| 行 | 縦に並べる分類 | 担当者 |
| 列 | 横に並べる分類 | 商品 |
| 値 | 合計や件数などの指標 | 売上の合計 |
| フィルタ | 集計対象に含める記録 | 対象商品や担当者 |
行を担当、列を商品、値を売上の合計にすれば、担当者ごとの商品別売上を比較できます。初めから多くの項目を入れず、担当別の合計が合ってから列を追加すると、集計の意味を見失いにくくなります。
商品別の内訳を追加して結果を照合する
エディタの「列」に商品を追加します。佐藤の内訳はノート1500・ペン1200、鈴木はノート2000・ペン800です。商品別の総計はノート3500、ペン2000になります。
元データの5件を手で足した総計5500と合っているかを確認します。行別の合計だけでなく、列別の合計も一致するかを見れば、除外や重複に気付きやすくなります。
フィルタで商品をノートだけにすると、全商品の総計5500ではなく、対象商品の合計3500になります。共有する集計表には、対象期間や絞り込み条件も書いておくと誤解を防げます。
件数を数えるときは、何の件数かを決める
値の集計方法を変更すると、合計以外の指標も作れます。ただし、取引件数、商品点数、担当者数は同じではありません。今回の表は1行が1件の記録なので、空欄のない記録ID列を用意して件数を数える設計にすると、意味が明確になります。
売上が0の行は、取引が存在しないことを意味するとは限りません。金額が0でも一件と数えるのか、返金などを別扱いするのかを決めてから集計します。数字だけが合っていても、指標の定義が違えば比較に使えません。
追加した行が集計されない場合
参照範囲内の値が変わると、ピボットテーブルも更新されます。一方、範囲をA1:D6に固定したまま7行目へデータを追加すると、範囲外の記録が入らない場合があります。エディタのデータ範囲を確認し、必要な行まで含めます。
自動更新されないように見えるときは、まず範囲とフィルタを確認します。元の値を直す問題と、対象範囲を広げる問題を分けて考えましょう。
合計にならない・数値が違うときの確認順
- 値の集計方法がSUMになっているか。
- 売上に文字列や通貨記号を直接入力していないか。
- 担当名や商品名に余分なスペースがないか。
- 元の表に小計・合計行が混ざっていないか。
- フィルタで必要な行を除外していないか。
- 追加データが参照範囲に入っているか。
気になる集計値をダブルクリックすると、その値に対応する元データを新しいシートで確認できる機能もあります。行数が多いときは、対象の明細まで戻って照合してください。
数式で複数シートを集めたい場合
ピボットテーブルは、一つに整理された明細から集計を試すときに便利です。部署ごとに別シートへ分かれている場合は、先に列の意味を統一し、QUERYで複数シートをまとめる方法などで集約します。元データの構造を整えておくと、集計方法を変えるときも使い回せます。
