自分で作ったFigmaプラグインは、Figmaのデスクトップアプリから申請して、Communityに公開できます。この記事では、実際にプラグイン「PSD Porter for Figma」をCommunityに申請して公開したときの手順と、審査中・更新・データセキュリティの審査で分かったことをまとめます。
対象は、自分でコードを書いて管理するプラグイン(classic plugin)です。Figmaの画面は日本語版で説明します。手順は2026年10月6日に実際に操作して確認し、公式資料とも照らし合わせています。
公開の流れ
- 公開するアカウントを決め、二要素認証を有効にする
- プラグインの名前・説明・画像を用意する
- デスクトップアプリで公開フォームを開き、4ページを入力して「公開」を押す(ここで審査に提出)
- 審査を待つ(管理画面では「レビュー中」と表示される)
- 承認されるとCommunityに掲載される。コードを直したら「新しいバージョンを公開」で更新する
「公開」を押した時点ではまだ申請です。Figmaの審査で承認されて初めて、Communityで誰でも見られるようになります。
公開前に用意するもの
| 用意するもの | 内容 |
|---|---|
| Figmaのデスクトップアプリ | 公開フォームはデスクトップアプリから開く |
| 公開するアカウント | Communityに作成者として表示される。二要素認証を有効にしておく |
| Communityのプロフィール | ハンドル(figma.com/@○○)と表示名。初めて公開するときに作る |
| プラグインのコード | ビルド済みのファイルと、manifest.json |
| 名前・タグライン・説明 | 何ができて何ができないか、通信の有無、問い合わせ先 |
| アイコン | 128×128px |
| サムネイル | 1920×1080px(画像または動画) |
| サポートの連絡先 | メールアドレスなど |
プラグインのコードの作り方はFigmaプラグイン開発の始め方で紹介しています。
会社名義で公開する作成者を選ぶ
公開フォームでは、自分・所属チーム・組織から作成者を選び、Communityに表示する名義を確認します。PSD Porter for Figmaは会社の製品として出すため、最初に入力していた個人(学校)のアカウントではなく、MOTOKI合同会社のアカウントを新しく作って公開しました。会社のアカウントでは、表示名を会社名にし、プロフィールに会社のWebサイトを入れています。公開するだけなら無料のプランで足ります。
manifestのIDは公開するアカウントで発行する
プラグインのIDは通常、「Create new Plugin」で作成する際にFigmaが発行し、manifest.jsonに入ります。公開時に新しいIDを取得することもできます。アカウントを変えたので、MOTOKI合同会社のアカウントでIDを発行し直し、manifest.jsonのidを書き換えてビルドし直しました。ほかのプラグインのIDをコピーして使ってはいけません。公開後の更新では同じIDを使い続けます。
名前は「○○ for Figma」の形にした
Figmaの商標ガイドラインでは、製品名に「Fig」のような略称を使えません。一方で「○○ for Figma」のように、Figmaで使えることを示す形は認められています。最初の案は同じ名前のプラグインがすでにあったため、Communityで検索して重ならない「PSD Porter for Figma」にしました。
公開フォームの入力手順
- デスクトップアプリで適当なファイルを開き、Ctrl+/(Macは⌘+/)で「開発中のプラグインを管理」を検索して開きます。
- 公開するプラグインの行の「…」から「公開」を選びます。
- 4ページのフォームを入力し、最後のページの「公開」を押します。

1. 説明
名前・タグライン(短い説明)・説明・カテゴリを入れます。PSD Porter for Figmaのカテゴリは「デザインツール」→「インポートとエクスポート」にしました。説明は、見出しを「■」、箇条書きを「・」で書いて読みやすくしました。日本語と英語の説明を並べ、対応している機能だけでなく、再現できないもの・通信しないこと・お問い合わせ先も書きました。
2. 画像
アイコン(128×128px)とサムネイル(1920×1080px)を設定します。サムネイルはCommunityの一覧で最初に目に入る画像なので、何から何に変換するプラグインかがひと目で分かるようにしました。ほかの人のデザインやFigmaのロゴは使わず、自分で作った画像にします。

3. データセキュリティ(任意)
プラグインがデータをどう扱うかを答える、任意のフォームです。チェックを入れると質問が表示されます。回答はFigmaが審査し、承認されるとCommunityのページに表示されます。PSD Porter for Figmaでは次のように答えました。
| 質問の内容 | 回答 |
|---|---|
| 独自のサーバー(バックエンド)を使うか | 使わない |
| 外部と通信するか | 通信しない |
| ユーザーの認証をするか | しない |
| データを保存するか | 保存しない |
| 開発の体制 | 個人で開発 |
公式の案内では、データセキュリティの審査には最大2週間かかるとされています。そのため最初の申請(1.0.0)では回答を外し、更新(1.1.1)のときに回答しました。実際には、回答してから1時間たたずに「データセキュリティのベストプラクティスに準拠しています」というメールが届きました。通信しないプラグインなら、最初から回答しておいてもよかったと思います。
4. 細かい点を仕上げる
Organization・Enterpriseプランで公開先(Publish to)の選択が表示される場合は、Communityを選びます。Organizationは組織内への非公開共有です。続いて、作成者(公開するアカウント)、サポートの連絡先、コメントを許可するか、ネットワークへのアクセスを確認します。ネットワークは、manifest.jsonのnetworkAccessと同じ内容にします。PSD Porter for Figmaは"allowedDomains": ["none"]なので「アクセスしない」です。通信するプラグインは、送信先とその理由を説明に書いておきます。
内容を確認して「公開」を押すと、「準備を整えています…」と表示されたあとフォームが閉じ、審査に提出されます。
審査中にできること
申請すると、「開発中のプラグインを管理」のプラグイン名の横に「レビュー中」と表示されます。承認されるまで、ほかの人がCommunityのプラグインのページを開くと「お探しのページは見つかりませんでした」と表示され、見ることはできません。申請したアカウントでログインしていれば、本人だけは審査中のページを開けます(開き方は下で説明します)。
審査中でも、行の「…」→「新しいバージョンを公開」で修正版を送れます。最後のページに「新しいバージョンを再送信」とリリースノートの欄が出るので、変更内容を書いて「公開」を押します。PSD Porter for Figmaでは、申請後に見つけた改善を入れた1.1.0と1.1.1を、審査中のまま送りました。

プラグイン本体の審査日数は、申請数や担当チームの状況で変わります。以下はこのプラグインの当時の記録で、審査時間の保証ではありません。PSD Porter for Figmaは、10月6日の午後に申請し、翌日の10月7日に承認されて公開されました。申請から1日たたずに審査が終わったことになります。審査中に2回新しいバージョンを送りましたが、大きく遅れることはなく、Communityには最後に送った1.1.1が掲載されました。バージョン履歴には、送った版が「バージョン2」「バージョン3」としてリリースノートつきで並びます。
審査中のプラグインのページを開く方法
申請したときに表示されたURLを保存し忘れても、開発用のフォルダにあるmanifest.jsonからプラグインのIDを確かめれば、ページを開けます。
Site Porter for Figmaの審査中に、この手順で実際にページを開けました。
1. 開発用のプラグインのフォルダを開く
Figmaの開発用のプラグインの一覧で、対象のプラグインを右クリックします。
Windowsでは「エクスプローラーで表示」を選ぶと、PCの中の開発用のフォルダが開きます。
2. manifest.jsonのidを確かめる
フォルダの中のmanifest.jsonを、テキストエディタで開きます。
nameが対象のプラグインの名前であることを確かめ、idに書かれた数字をコピーします。
ファイルを変えたり、保存したりする必要はありません。
idは、Figmaが割り当てるプラグインの識別子です。
見当たらない場合は、申請したプラグインのフォルダを開いているかを確かめてください。
3. IDを使ってCommunityのページを開く
次のURLの末尾に、コピーした数字を足します。
https://www.figma.com/community/plugin/(コピーしたID)Site Porter for FigmaのIDは1693638065741348956で、開いたページはこちらです。
申請したFigmaのアカウントでログインして開いてください。
このときのページには、「このページは現在非公開です」「プラグインのレビュー中は、あなただけが表示できます」と表示されました。
| 見る人 | 審査中のページの表示 |
|---|---|
| 申請したアカウント(ログイン中) | 「このページは現在非公開です」と表示され、中身を確認できる |
| ほかの人・ログインしていない人 | 「お探しのページは見つかりませんでした」と表示され、見られない |
ページを開けることと、審査を通って一般に公開されることは別です。
開いたURLをブックマークしておくと、次からは直接開けます。
URLを確かめるために、申請を取り消したり、申請し直したりする必要はありません。
参考:Figma公式のmanifestの仕様・IDとCommunityのURLについてのFigmaスタッフの回答
承認されなかったとき
承認されなかった場合は、メールで理由が届きます。内容を確認して修正し、もう一度申請します。審査では、説明どおりに動くか、通信の内容が説明と合っているか、ほかの人の素材や商標を使っていないかなどが見られます。申請の前にプラグイン・ウィジェットの審査基準を読んでおくと安心です。
公開後に更新する手順
- コードを直し、manifest.jsonの
idは変えずにビルドします。 - 「開発中のプラグインを管理」→ プラグインの行の「…」→「新しいバージョンを公開」を開きます。
- 説明や画像を変える場合はここで直します。変えない場合はそのまま次へ進みます。
- 最後のページのリリースノートに変更内容を書き、「公開」を押します。
「新しいバージョンを公開」が見つからない場合は、メニューの「Locate local version」から、更新したいプラグインのmanifest.jsonを選び直します。manifestのidが、公開済みのCommunity URLに含まれる数字と一致するかも確認してください。別のIDで新規申請する前に、この2点を確認します。リリースノートは利用者が読むものなので、「何ができるようになったか」を短く書きます。PSD Porter for Figmaでは、日本語と英語を1行ずつ並べました。
申請前のチェックリスト
- 公開するアカウントは正しいか(会社名義なら会社のアカウント)。二要素認証は有効か
- manifest.jsonの
idは、公開するアカウントで発行したものか - 名前に「Fig」などの略称を使っていないか。同じ名前のプラグインがないか
- 何も選んでいないとき、対応しないレイヤーを選んだときに、分かるメッセージが出るか
networkAccessと、説明に書いた通信の内容が合っているか- 説明に、できないことと問い合わせ先を書いたか
- アイコン・サムネイルは自分で作った画像か
- 同梱したライブラリのライセンス表記を入れたか
有料プラグイン・ウィジェットとの違い
プラグインを有料で販売するには、Figmaの承認を受けたクリエイターであることなど、追加の条件があります。公開後に有料から無料へ変えられないなどの制約もあるので、公式の公開ガイドで確認してください。PSD Porter for Figmaは無料で公開し、大量の変換やFigmaなしで使えるWeb版は個別のご相談としています。
キャンバスに置いて使うウィジェットは、作り方が異なります。Figmaウィジェット開発の基礎を参照してください。
参考:Publish classic plugins to the Figma Community、Manage classic plugins as a developer、Plugin Manifest
よくある質問:FigmaプラグインをCommunityに公開するときのチェックリスト
Communityに公開するには、何が必要ですか?
Figmaのデスクトップアプリ、公開するアカウント(二要素認証を有効にする)、Communityのプロフィールハンドルと表示名、ビルド済みのコードとmanifest.json、名前・タグライン・説明、アイコン(128×128px)、サムネイル(1920×1080px)、サポートの連絡先を用意します。
「公開」を押すと、すぐ誰でも見られますか?
見られません。「公開」を押した時点では、まだ申請です。Figmaの審査で承認されて初めて、Communityで誰でも見られるようになります。
プラグインのIDは、どうしますか?
通常は「Create new Plugin」で作成した際に、FigmaがIDを発行してmanifest.jsonに入れます。公開時に取得することもできます。すでに正しいIDがある場合は、書き換える必要はありません。ほかのプラグインのIDをコピーして使ってはいけません。公開後の更新では、同じIDを使い続けます。
審査中のプラグインのページは、どこで見られますか?
manifest.jsonのidを、https://www.figma.com/community/plugin/ の後ろに付けたURLで開けます。申請したアカウントでログインしているときだけ表示され、ほかの人には見えません。
プラグインの名前に、「Fig」を使えますか?
Figmaの商標ガイドラインで、製品名に「Fig」のような略称を使うことを認めていません。「○○ for Figma」のように、Figmaで使えることを示す形は認められています。
会社名義で公開するには?
公開フォームでは、自分・所属チーム・組織から作成者を選び、Communityに表示する名義を確認します。本記事の事例では、会社用のアカウントを新しく作って公開しました。無料プラグインの公開には、無料プランも利用できます。
公開後に、コードを直したときは?
コードをビルドし直し、同じIDのプラグインから「新しいバージョンを公開」を選びます。変更内容をリリースノートに書いて公開します。
