外付けSSDをつないでもエクスプローラーに出てこないとき、原因は配線とWindowsの間の複数の段階に分かれている。
どこまで届いているかを確かめずにフォーマットや初期化へ進むと、まだ読めるはずのデータを消してしまう。
ここでは、4つの段階のどこで止まっているかを、データを書き換えないコマンドだけで確かめる順番を整理する。
検証はWindows 11のPowerShellで実行し、出力はこの記事を書いた時点の実機のものを載せている。
4つの段階のどこで止まっているか
外付けSSDがエクスプローラーに出るまでに、次の4段階を通る。
| 段階 | 確かめること | 使うコマンド |
|---|---|---|
| 1 配線と給電 | USBの機器としてWindowsに見えているか | Get-PnpDevice |
| 2 ディスク | 記憶装置として番号が振られているか | Get-Disk |
| 3 パーティション | 区画が切られているか | Get-Partition |
| 4 ボリューム | ドライブ文字が付いているか | Get-Volume |
上の段階が通っていなければ、下の段階は成立しない。
エクスプローラーに出ないという症状だけでは、どこで止まっているかは分からない。
手順1 USBの機器として見えているかを確かめる
PowerShellを開き、次のコマンドで記憶装置のデバイスを一覧にする。
Get-PnpDevice -Class DiskDrive | Select-Object Status,FriendlyName,InstanceId | Format-Table -AutoSize -Wrap手元の環境では次のように出た。
Status FriendlyName InstanceId
------ ------------ ----------
OK Generic MassStorageClass USB Device USBSTOR\DISK&VEN_GENERIC&PROD_MASSSTORAGECLASS&REV_1539\000000001539&0
OK WPBSN4M8-1TGP SCSI\DISK&VEN_NVME&PROD_WPBSN4M8-1TGP\5&18C90B50&0&000000
Unknown SM328x SM328x USB Device USBSTOR\DISK&VEN_SM328X&PROD_SM328X&REV_1100\8&2D3203BC&0InstanceIdがUSBSTORで始まる行が、USBでつないだ記憶装置にあたる。
StatusがOKなら、Windowsはその機器を認識している。
Unknownと出ている行は、いま接続されていない機器の記録が残っているものが含まれる。
つないでいるはずのSSDがこの一覧にまったく出てこない場合は、配線か給電の側を先に見る。
- ケーブルを別のものに替える(充電専用のケーブルはデータが通らない)
- PC側のポートを替える(ハブを挟んでいるなら直挿しにする)
- 別のPCにつないで、そちらで見えるかを確かめる
- SSD側のランプが点くかを見る
別のPCでも見えないなら、切り分けの対象はPCではなくSSDかケーブルに絞られる。
手順2 ディスクとして番号が振られているかを確かめる
機器として見えていたら、次は記憶装置として扱われているかを見る。
Get-Disk | Select-Object Number,FriendlyName,OperationalStatus,PartitionStyle,@{n='GB';e={[math]::Round($_.Size/1GB)}} | Format-Table -AutoSize手元の環境では次のように出た。
Number FriendlyName OperationalStatus PartitionStyle GB
------ ------------ ----------------- -------------- --
0 WPBSN4M8-1TGP Online GPT 954
1 Generic MassStorageClass No Media RAW 0
2 Generic MassStorageClass No Media RAW 0OperationalStatusの値が、次に何を見るかを決める。
| OperationalStatusの表示 | 意味 | 次に見るところ |
|---|---|---|
| Online | ディスクとして使える状態 | 手順3へ進む |
| Offline | Windows側でオフラインにされている | オンラインに戻す(後述) |
| No Media | 読み取り装置は見えているが、媒体が入っていない | カードリーダーの空スロットか、接触不良を疑う |
上の出力にあるNo Mediaの2件は、カードが入っていないカードリーダーのスロットである。
外付けSSDでこの表示が出る場合は、ケースの中で基板と接触していない可能性があるため、差し直してからもう一度実行する。
Get-Diskは、Microsoftのドキュメントで「OSから見えるディスクを取得する」コマンドレットとして説明されている。
同じページに、ダイナミックディスクは複数の物理媒体にまたがるためGet-Diskでは返らないと注記がある。
Offlineと出たときだけ、オンラインに戻す
Offlineの場合は、次のコマンドでオンラインに戻せる。
Set-Disk -Number 1 -IsOffline $false番号は自分の環境のGet-Diskの出力に置き換える。
この操作はディスクの状態を切り替えるだけで、中のデータは書き換えない。
一方で、次に出てくるInitialize-DiskとClear-Diskは中身を失う操作なので、区別して扱う。
手順3 区画とドライブ文字があるかを確かめる
ディスクがOnlineなら、区画とドライブ文字を見る。
Get-Partition | Select-Object DiskNumber,PartitionNumber,DriveLetter,Type,@{n='GB';e={[math]::Round($_.Size/1GB)}} | Format-Table -AutoSize
Get-Volume | Select-Object DriveLetter,FileSystemLabel,FileSystem,HealthStatus,@{n='GB';e={[math]::Round($_.Size/1GB)}} | Format-Table -AutoSizeここで症状が3つに分かれる。
| 見え方 | 起きていること | 取れる手 |
|---|---|---|
| 区画があり、ドライブ文字がない | 区画は無事だが、文字が割り当てられていない | ディスクの管理でドライブ文字を割り当てる |
| 区画があり、FileSystemがRAW | 区画表はあるが、ファイルシステムが読めない | データを取り出す方を先に考える |
| 区画が1つもない | 区画表が空、または壊れている | フォーマットの前に復旧を検討する |
ドライブ文字が無いだけなら、データはそのまま残っている。
Windowsキーとエックスキーを押してディスクの管理を開き、対象の区画を右クリックしてドライブ文字とパスの変更から文字を割り当てる。
フォーマットを勧められても、その前に決めること
区画が読めない状態でSSDをつなぐと、Windowsがフォーマットを促す通知を出すことがある。
この通知に従うと、区画表とファイルシステムが作り直され、元のデータの手掛かりが減る。
中のデータが必要かどうかを先に決め、必要ならフォーマットも初期化も実行しない。
| 操作 | 何が起きるか | データ |
|---|---|---|
| Set-Disk -IsOffline $false | オフラインのディスクをオンラインに戻す | 残る |
| ドライブ文字の割り当て | 既存の区画に文字を付ける | 残る |
| Initialize-Disk | 空のディスクに区画表を作る | 既存の区画表を失う |
| Clear-Disk | ディスクの内容を消す | 失う |
| フォーマット | ファイルシステムを作り直す | 失う |
この記事では、下2つに当たる操作の手順は載せていない。
データが不要だと決まっている場合にだけ、その段階へ進む。
確かめたことを書き留めておく
同じ症状でサポートへ問い合わせるときや、別のPCで試すときのために、結果を残しておくと判断が早くなる。
- Get-PnpDeviceの出力に、その機器の行があったか
- Get-DiskのOperationalStatusとPartitionStyleの値
- Get-PartitionとGet-Volumeに、その区画が出たか
- 試したケーブルとポートの組み合わせ
- 別のPCにつないだときの結果
この5つが揃っていれば、どの段階で止まっているかを他の人にも同じ形で伝えられる。
まとめ
- 外付けSSDが見えない原因は、配線・ディスク・区画・ボリュームの4段階に分かれる
- Get-PnpDevice、Get-Disk、Get-Partition、Get-Volumeの順に、データを書き換えずに確かめられる
- No Mediaは、読み取り装置は見えているが媒体が入っていない状態を指す
- ドライブ文字が無いだけならデータは残っているので、割り当てるだけで解決する
- フォーマットと初期化はデータを失う操作なので、必要かどうかを先に決める
検証はWindows 11の環境で実行し、コマンドの説明はMicrosoftの公開ドキュメントを参照した。
コマンドレットの詳細はMicrosoft Learnのリファレンスで確認できる。
Windowsの作業を楽にする道具はPCメソッドのまとめにも置いている。
